ザイクセン
ザイクセンはカルボキシル基を有するポリオレフィン樹脂を、独自の乳化技術により自己乳化させた水系ディスパージョンです。
界面活性剤を含まないため、優れた耐水性や接着性を発揮します。
ヒートシール剤やコーティング剤(食品包装材用など)の水系ディスパージョンとして、幅広い用途で使用されています。
特徴
- 水系ディスパージョン
ザイクセンは有機溶剤を含まない水系ディスパージョンです。 - 界面活性剤フリー
ザイクセンは、界面活性剤を含みません。
他材料との混和性に優れます。 - 各種基材への接着性
紙、金属(特にアルミ)、プラスチック(各種フィルム)、ガラス等の各種基材に優れた接着性を示します。 - 耐水性、耐薬品性、透明性
耐水性、耐薬品性、透明性に優れた皮膜を形成します。 - 水蒸気バリア性
紙等に塗工することで水蒸気バリア性の向上が可能です。
用途例
ヒートシール剤分野
- ヒートシール剤 … 包装材料(食品包装用フィルム、食品包装用紙)、工業用材料(帯封)、各種基材のプライマー
バインダー分野
- 水性インキのバインダー、塗料添加剤…フレキソインキ、グラビアインキ等
- 繊維集束剤 … ガラス繊維、樹脂繊維の集束剤
コーティング剤分野
- フィルム・紙 … オーバーコート剤、バリアコート剤
- 金属材料 … 防錆コーティング剤、メッキ処理剤
その他の分野
- 各種エマルジョン・ラテックスの改質剤…成膜性向上剤、接着性向上剤
主な機能と利点
低温成膜性
- 低温成膜性に優れ、塗工後40-50℃の乾燥条件でも透明性が高く、接着性を示す皮膜を形成します。
- インクのバインダーなど短い乾燥条件の用途でも使用することが可能であり、溶剤系からの切り替えをサポートします。
混和性
- 界面活性剤を含まないため、幅広い添加剤との混合が可能です。
- 各種添加剤を加えた混合液を塗工することにより、添加剤の性能を活かしたコーティング膜の形成が可能です。
ヒートシール性・接着性
- 各種基材に対して優れた接着性を示します。
- 特に紙とアルミ基材への接着性に優れ、100℃以下の低温でも優れたヒートシール性を発揮します。
紙とアルミの接着性
耐水・水蒸気バリア性
- 水系ディスパージョンですが、ザイクセンの皮膜は常温で水には溶けません。
- ザイクセンを塗工することで、未塗工紙と比較して耐水性(吸水性)が飛躍的に向上いたします。
- その他、水蒸気バリア性の向上も可能であり、水蒸気バリア機能が必要な用途(食品包装など)の製品開発に貢献します。
耐水性評価(cobb吸水法)
サンプル | 水蒸気透過係数 g・mm/(m²・day) |
---|---|
ザイクセンA 塗工紙 |
0.45 |
グレード・物性一覧
ザイクセン Aタイプ
製品名 | 固形分 (%) |
pH | 粘度 (mPa・s) |
平均粒子径 (µm) |
特徴 |
---|---|---|---|---|---|
A |
24-25 |
8-10 |
50-500 |
<0.2 |
|
AC |
29-30 |
7-10 |
300-1000 |
<0.2 |
|
AC-HW-10 |
29-30 |
8-10 |
200-1000 |
<0.2 |
|
ザイクセン Lタイプ
製品名 | 固形分 (%) |
pH | 粘度 (mPa・s) |
平均粒子径 (µm) |
特徴 |
---|---|---|---|---|---|
L |
24-25 |
8-10 |
100-1000 |
<0.2 |
|
ザイクセン Nタイプ
製品名 | 固形分 (%) |
pH | 粘度 (mPa・s) |
平均粒子径 (µm) |
特徴 |
---|---|---|---|---|---|
N |
24-25 |
8-10 |
50-500 |
<0.2 |
|
NC |
27-29 |
8.5-10.5 |
200-700 |
<0.2 |
推奨使用方法
- 使用用途:基材同士の接着、基材のコーティング
- 塗工方法:コーター、スプレー、ローラーなど(幅広い塗工方法に対応します)
- 塗工量:5g/㎡以下(Wet時)
- 乾燥温度:80℃以上(室温乾燥でも皮膜を形成します)
- 接着温度:80℃以下
包装形態
- 20 kg キュービーテナー
- 200 kg ポリ内袋オープンドラム
- 1,000 kg IBCコンテナー
物性一覧表
Aタイプ
評価方法 | AC | A | AC-HW-10 | ||
---|---|---|---|---|---|
エマルジョン
|
外観 |
- |
半透明水溶液 |
半透明水溶液 |
乳濁液 |
固形分 (%) |
140℃×4hr |
29-30 |
24-25 |
29-30 | |
比重 | 浮きひょう法 | 0.95-1.05 | 0.95-1.05 | 0.95-1.05 | |
pH | pHメーター | 7-10 | 8-10 | 8-10 | |
粘度 (mPa・s) | B型粘度計 | 300-100 | 50-500 | 200-1000 | |
平均粒子形 (㎛) | 動的光散乱法 | < 0.2 | < 0.2 | < 0.2 | |
特長 | ① 耐水性 | ◎ | ◎ | ◎ | |
② 低温成膜性 | ○ | ○ | ○ | ||
③ ヒートシール性 | ◎ | ◎ | ◎ | ||
④ 耐ブロッキング性 | ○ | ○ | ◎ | ||
⑤ 食品衛生試験 (厚生省370号) |
適合 | 適合 | 適合 |
Lタイプ
評価方法 | L | ||
---|---|---|---|
エマルジョン
|
外観 |
- |
半透明水溶液 |
固形分 (%) |
140℃×4hr |
24-25 |
|
比重 | 浮きひょう法 | 0.95-1.05 | |
pH | pHメーター | 8-10 | |
粘度 (mPa・s) | B型粘度計 | 100-1000 | |
平均粒子形 (㎛) | 動的光散乱法 | < 0.2 | |
特長 | ① 耐水性 | ○ | |
② 低温成膜性 | ◎ | ||
③ ヒートシール性 | ◎ | ||
④ 耐ブロッキング性 | ○ | ||
⑤ 食品衛生試験 (厚生省370号) |
適合 |
Nタイプ
評価方法 | NC | N | ||
---|---|---|---|---|
エマルジョン
|
外観 |
- |
半透明水溶液 |
半透明水溶液 |
固形分 (%) |
140℃×4hr |
27-29 |
24-25 |
|
比重 | 浮きひょう法 | 0.95-1.05 | 0.95-1.05 | |
pH | pHメーター | 8.5-10.5 | 8-10 | |
粘度 (mPa・s) | B型粘度計 | 200-700 | 50-500 | |
平均粒子形 (㎛) | 動的光散乱法 | < 0.2 | < 0.2 | |
特長 | ① 耐水性 | ○ | ○ | |
② 低温成膜性 | ○ | ○ | ||
③ ヒートシール性 | ○ | ○ | ||
④ 耐ブロッキング性 | ◎ | ◎ | ||
⑤ 食品衛生試験 (厚生省370号) |
適合 | 適合 |