サステナビリティ

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気候変動への取り組み

気候変動への取り組み

カーボンニュートラルに向けて

気候変動は地球環境に変化を与え、異常気象、海面上昇、生態系の変化など、人々の暮らしや我々企業の持続的発展を脅かすような様々な影響を顕在化しつつあります。今後も温暖化の進行によって、その影響はさらに拡大することが懸念されます。
当社は、事業活動が与える気候変動への影響を緩和するため、グループ全体のカーボンニュートラル対応方針を定め、温室効果ガスの排出削減に取り組んでいます。また、将来予想される様々な気候変動の影響に備えることにより、事業の継続性を確保するとともに、気候変動リスクの回避と軽減に努め、事業のレジリエンスを高めてまいります。

関連するSDGs

カーボンニュートラル
対応方針

住友精化グループの持続的成⻑において、カーボンニュートラルへの対応は、避けることのできない重要課題の一つである。当社グループは、温室効果ガス(GHG)排出削減に向けた取り組みを積極的に推進し、2050年カーボンニュートラル社会の実現に貢献する。

  1. 自社からのGHG排出量の削減
    住友精化グループの生産活動に伴うGHG排出量の最⼩化を実現すると共に、これらの技術をグループ各社へ展開していく。
  2. 低GHG製品、環境貢献製品の提供
    住友精化グループが提供する製品・サービスについて、GHG排出削減のための革新を図り、LCAの観点からカーボンニュートラルに貢献する製品やソリューションを提供していく。
  3. 炭素循環社会実現への貢献
    地域・社会と共生し循環経済を実現するために、GHGを回収・活用・固定化する技術革新を継続的に⾏っていく。更には、多様な構成メンバーと連携して、社会実装の具現化に貢献することを目標に掲げ、それを推進する。

目標

Scope1,2GHG排出削減
  • グループで2033年度までに2022年度比54.6%削減を目指す。
  • グループで2030年度までに2021年度比42%削減を目指す。
  • 日本国内で2030年度までに2013年度比46%削減を目指す。
  • 2050年カーボンニュートラルの実現を目指す。
Scope3GHG排出削減
  • カテゴリー1(購入製品・サービス)とカテゴリー12(販売製品の廃棄)について、2033年度までに2022年度比32.5%削減を目指す。
  • 製品ごとのライフサイクルアセスメント(LCA)の実施と計画的な削減努力を継続する。
  • 取り扱う製品のカーボンフットプリント(CFP)を2025年度までに算定し、お取引様と協力して、サプライチェーン全体でのGHG排出削減に貢献する。
技術革新への取り組み

住友精化の製品、技術を革新し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する。

  • CO2分離回収技術の開発
  • CO2資源化技術の開発
  • 環境貢献製品の拡充
住友精化グループの削減目標がSBTi認定を取得

2023年度、当社グループは、今世紀末までに世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べ1.5℃に抑えることを目的としたパリ協定の目標に沿って、新たな削減目標を設定しました。

新たな目標では、グループから排出される温室効果ガスを、2022年を基準に、Scope1+2では2033年までに54.6%削減(1.5℃目標)、Scope3ではカテゴリー1(購入製品・サービス)とカテゴリー12(販売製品の廃棄)からの排出量を32.5%削減(WB2℃目標:2℃を十分に下回る目標)することを目標にしています。

この目標は、2024年7月にSBTi(Science Based Targets initiative)の認定を受けました。当社グループは、自社のみならずバリューチェーン全体での排出削減に取り組み、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。

  • SBTiは、2015年にWWF、CDP、世界資源研究所(WRI)、国連グローバル・コンパクトにより設立された共同イニシアティブです。
SBTi Science Based Targets initiative

カーボンニュートラル実現に取り組む組織体制

当社では、カーボンニュートラル実現に取り組むために、全社横断的な実行組織として「炭素循環社会実現タスクフォース」を設置しています。それぞれの目的に対応したプロジェクトチームが様々な課題に取り組んでいます。また、課題解決の取り組みの中で多様なパートナーとの連携も進んでいます。

更に、気候変動の及ぼす影響から起こりうる事象を定量的かつ継続的に検討し、必要な活動を順次加えるなど、気候変動への対応を進めています。

社内炭素価格(インターナルカーボンプライシング)について

当社では、2023年度より、気候変動への取り組みの促進を目的に、CO2の削減価値を費用換算したものを投資判断の参考とするため、社内炭素価格を導入しています。
社内炭素価格:10,000円/T-CO2(2023年度~2025年度)
但し、外部環境の変化等によって適宜変更する。

カーボンニュートラルを実現する実行組織

温室効果ガス(GHG)排出量

Scope1,2排出量(グループ)
(kt-CO2
  2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
Scope1 210 192 190 181
Scope2 86 90 97 72
合計 296 282 286 252
Scope1,2排出量(単体)
(kt-CO2
  2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
Scope1 186 167 166 159
Scope2 21 20 19 0
合計 207 187 185 159
Scope3排出量(単体/グループ)
(kt-CO2
カテゴリー 2021年度
(単体)
2022年度
(グループ)
2023年度
(グループ)
1. 購入製品・サービス 432.7 1,011.3 1,051.0
2. 資本財 5.6 14.8 26.5
3. 燃料・エネルギー(Scope1,2以外) 23.0 59.7 57.1
4. 輸送・配送(上流) 8.5 39.0 39.0
5. 事業から出る廃棄物 5.3 7.3 9.2
6. 出張 0.1 0.2 0.2
7. 雇用者の通勤 0.7 0.6 0.6
8. リース資産(上流) 2.1
9. 輸送・配送(下流)   10.6 11.4
10. 販売した製品の加工  
11. 販売した製品の使用   188.0 285.9
12. 販売した製品の廃棄   436.8 458.9
13. リース資産(下流)  
14. フランチャイズ  
15. 投資   1.2 1.2
  • カテゴリーおよび算出方法の見直しにより、2022年度の排出量を修正しました。

GHG排出量およびエネルギー使用量の算定については、第三者の検証を受審しています。

削減ロードマップ

1)Scope1,2

2023年度は、国内3工場において総生産量は増加しましたが、省エネ活動、生産工程の合理化等の計画的な取り組みに加え、国内生産拠点の購入電力を再生可能エネルギーへ切替えたことにより、当初の計画と比較して前倒しで排出量の削減が進んでいます。

2024年度以降も、省エネ・合理化活動ならびに再生可能エネルギー導入などの範囲を広げ、着実な削減に繋げていきます。

削減ロードマップ
2)Scope3

Scope3については、2022年度および2023年度グループ全体で全カテゴリーの排出量を算定しました。今後は、サプライチェーンの協力を仰ぎながら、Scope3の排出量においても削減に努めていきます。

シナリオ分析

国際エネルギー機関(IEA)ならびに気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した長期シナリオ(IEA NZE2050、IPCC AR6、AR5、SR1.5等)を参考に、温暖化の進行が「+4℃」と「+1.5℃」の社会におけるリスクと機会を抽出・分析しました。さらに、主要なリスクと機会が当社グループに与える影響の大きさを評価し、それらへの対応策を検討しています。

物理リスク(+4℃の世界):中長期~長期
社会の変化 主要なリスク 影響 主な対応
気候災害激甚化
(大雨、熱帯低気圧など)
浸水リスク(洪水、高潮・高波など)による事業活動の停滞
  • 生産拠点の長期停止
  • サプライチェーンの寸断
BCP 対策の継続的強化
  • 重要拠点の浸水対策強化
  • サプライチェーン強靭化
気温上昇
渇水、水質悪化
作業環境の悪化による生産性の低下
渇水、水質悪化による操業度の低下
作業環境の継続的改善
水ストレスの把握と対策
移行リスク(+1.5℃の世界):短中期~中長期
社会の変化 主要なリスク 影響 主な対応
政策・規制強化 NDC(国が決定する貢献)目標の引き上げによる関連設備投資、技術開発投資の大幅な増加
炭素価格の引き上げなど新たな政策・規制の導入に伴う、コスト負担の増加
GHG 排出削減の推進
  • 省エネルギー、プロセス効率化、CO₂ 分離回収、エネルギー転換など
技術革新 エネルギーコストの大幅な上昇
原材料の脱石油由来に係る大幅な価格上昇
エネルギー消費、マテリアル消費の最小化
  • 吸水性樹脂プロセス合理化、リサイクル技術開発
  • CCU(分離・回収したCO2を利用する技術)等カーボンリサイクル技術開発
市場変化 環境負荷低減の要求増大
新たな競争軸をもった新規参入者の出現
製品毎のカーボンフットプリント削減
環境貢献製品の開発
機会(+1.5℃への抑制):中期~中長期
社会の変化 主要な機会 影響 主な対応
エネルギー効率の向上 エネルギー関連材料の需要増加 電池材料、半導体材料の開発
資源循環型社会への移行 ガス分離回収ニーズの拡大
リサイクル製品など環境負荷低減に貢献する製品の需要拡大
PSA の高性能化と事業拡大
リサイクル技術の開発

水リスク

将来にわたって良質な水を安定的に確保し続けることができるかどうかは、化学メーカーである当社グループの持続可能性に大きな影響を与えます。当社グループは、生産拠点毎の水リスクを把握し、適応策を講じていくことが重要と考えています。

現時点の評価結果

WRI Aqueduct※1にSSP5-8.5シナリオ※2を適用し、当社グループの全生産拠点について水リスクの可能性を評価しました。急性リスクについては、沿岸地域に立地するいくつかの施設で高潮による浸水が顕在化する可能性が抽出されたことから、嵩上げや耐水壁設置などの対策を講じ、リスクを最小化することにしました。

また、慢性リスクについては、将来的に水ストレスが高まる施設が抽出されています。水ストレスの傾向としては河川流域の水供給量の減少を示すものではなく、経済発展により水需要量が緩やかに増加することに由来するものと推定されていますので、関連施設の水の使用効率を向上させる取り組みを展開することで事業活動へ実質的な影響が出ないように準備していきます。

  • 世界資源研究所(WRI)による、水リスクに関する評価ツール
  • 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による、化石燃料依存型の発展の下で気候政策を導入しないGHG 最大排出量シナリオ
水ストレス(水不足)の評価(WRI Aqueduct使用)
  ベースライン
(現状)
将来予測 2050年
(SSP5-8.5)
姫路工場 低~中 低~中
別府工場 低~中 低~中
千葉工場 中~高 中~高
揚州工場
彰濱工場 低~中 低~中
アルケマ工場 中~高
麗水工場 中~高
長安工場 中~高 中~高
坡州工場 低~中 中~高
シンガポール工場
水リスク 水リスク
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