リスク
リスク
リスクマネジメント
持続的な成長を実現するため、事業目的の達成を阻害するリスクの早期発見・対処や、リスクが顕在化した際の迅速かつ適切な対処を可能とするリスク管理体制の構築・運営が必要です。
当社は、社長を委員長とする内部統制委員会を設置し、リスク管理体制の運営状況、グループの重要リスクへの対応状況について審議を行っています。会社の重要リスクについては、内部統制委員会にて、事業環境や社会情勢の変化を踏まえて都度見直しを行っており、審議や議論の状況は取締役会に報告し、監督を受けています。
クライシスマネジメント
クライシスが発生した場合には、その程度に応じて、社長や役員を本部長とした対策本部を設置し、被害状況の確認や事業への影響の見通しの把握、被害拡大防止策、復旧策などを検討し、対策を実行します。また、クライシスが公共に関するものの場合には、遅滞なく対外公表するものとします。
クライシスの際の被害を最小限に抑え、事業維持と早期復旧のため、BCP(事業継続計画)や緊急時対応に係る社内規程を制定しています。
事業等のリスク
当社の事業の状況に関する事項のうち、ステークホルダーの皆様に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。なお、ここに記載した事項は、当連結会計年度末現在において当社グループがリスクとして判断したものでありますが、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。
1. 経営判断や事業戦略に関するリスク
⑴ 市場環境
- 事業を展開する市場において、国内外の競合企業による当該市場への参入、安価な輸入品の流入など、様々な理由により当社グループの製品群は今後も厳しい価格競争に晒されるものと予想されます。また、吸水性樹脂事業の主要な市場の一つである中国においても、価格競争、現地メーカー製品の品質向上などによる吸水性樹脂のコモディティ化や出生数の低下などにより当社グループの競争環境が激化する可能性があります。
⑵ 原材料調達
- 購入する原材料の一部については、特定の購入先に依存しています。購入先を複数にするなど、主要原料が購入できないリスクを低減するように努めていますが、原燃料等の仕入価格は、需給バランスや市況により急激な価格変動を起こすことがあり、また、仕入価格が急激に上昇した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑶ 為替レート変動
- 当社グループは、グローバルに生産販売活動を展開しており、為替の変動が外貨建て売上や原材料の調達コストに影響を及ぼします。そのため、為替予約などによりリスクを最小限にするように努めています。また、海外の連結子会社は、連結財務諸表作成上、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。特に、人民元レートの変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑷ 固定資産の減損
- 当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しています。当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等により投資額の回収が見込めなくなった場合、その認識時点において減損損失を計上することで、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑸ 気候変動
- 気候変動の進行は、当社グループの持続可能性に大きな影響を与えると考えています。温暖化の進行にともなう極端現象の増加、激甚化によって、沿岸地区に立地する生産拠点では、高潮等による影響により生産活動が停滞し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、GHG排出への政策規制が強化されることにより、対応費用(再生可能エネルギーの導入、低炭素燃料への転換、製造プロセスの改修、省エネ機器の導入などに係る費用)の急激な増加により当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、カーボンニュートラルな世界では、環境負荷の低い製品・サービスが求められるなど、市場での価値観や競争軸が変わっていくことが想定されます。この変化への対応が遅れるようなことがあれば、当社グループの製品・サービスは競争力を失い、業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。詳細は「気候変動への取り組み/シナリオ分析」を参照ください。
2.経理・財務に関するリスク
⑴ 退職給付債務
- 当社グループの従業員退職給付費用および債務は、年金資産の長期期待運用収益率や割引率などの数理計算上の前提に基づいて算出されています。年金資産運用環境の悪化により前提と実績に乖離が生じた場合や退職給付信託に拠出している上場株式の株価の下落は、将来の退職給付費用の増加になり、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
3. その他経営全般に関するリスク
⑴ 災害・事故
- 当社グループは製造設備の停止や製造設備に起因する事故などによる潜在的なマイナス要因を最小化するためすべての製造設備において定期的な点検を実施していますが、自然災害、事故等により、工場周辺に物的・人的被害を及ぼした場合、事業活動に支障をきたすほか多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与えるリスクがあります。
⑵ 情報セキュリティ
- 当社グループの事業活動におけるシステム・ネットワークへの依存度は年々拡大しており、セキュリティの高度化などによりシステムやデータの保護に努めていますが、停電、自然災害やコンピューターウイルス、ハッカー等のシステム犯罪などにより、システム・ネットワーク障害が発生した場合、事業活動に支障をきたすほか多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与える可能性があります。
⑶ 法令及び規制
- 当社グループが事業活動を遂行している各国で将来的に環境および化学品安全等に対する法的規制が強化され、新たなコストが発生する可能性があります。
⑷ 人事労務
- 労働災害、感染症・伝染病の蔓延などにより、業務遂行が停滞する可能性、従業員の人権問題、メンタルヘルス問題、ハラスメントによる就労環境が悪化する可能性、これらにより当社が損害賠償義務を負うなどの可能性があります。
⑸ 法令違反、コンプライアンス
- 国内外の法令等に抵触するなどのコンプライアンス違反が発生した場合には、当社グループの社会的な信用が低下し、また損害賠償責任や罰金が課されるなど、当社グループの経営成績ならびに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑹ 製品の品質
- 当社グループは、世界的に認められている厳格な品質管理基準に従って、各種製品を製造していますが、全ての製品について欠陥がなく、将来にわたってリコールが発生しない保証はありません。大規模な製品事故が発生した場合多額のコストが発生する恐れや、当社グループの評価に重大な影響を与える可能性があります。
⑺ 知的財産権
- 当社グループは、他社と差別化できる技術とノウハウを蓄積し事業の競争力を強化してきましたが、当社グループ独自の技術・製品とノウハウの一部は、特定の地域において完全な保護が不可能で、第三者が当社グループの知的財産を使用して類似製品を製造することを効果的に防止できない可能性があります。また、現在及び将来の知的財産に係る紛争の結果、当社グループに不利な判断がなされる可能性があります。
⑻ 人的資本
- 当社グループは、多様な人財によって支えられています。少子化等による労働人口の減少が予測されます。採用者数の減少や離職者の増加などにより事業運営に必要な人財の確保ができない場合や、中期的な成長を牽引する人財の育成が遅れるなどした場合、事業計画を達成できず、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑼ その他
- 当社グループが事業活動を遂行している各国において、法律や規制等の変更、テロ・戦争・疫病・その他の要因による社会的混乱などのリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合は、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
BCP
基本方針
当社は、次の基本方針に基づき、事業継続対応を行います。
- 当社グループ従業員とその家族、地域住民の安全を確立する。<人命の安全、地域社会との協調>
- 不測の事態が生じた場合に生じる被害を最小限に留める。<自社の経営維持>
- 当社製品を安定して供給するため、早期の事業の復旧・再開に取り組む。<顧客・取引先との信頼関係の構築>